古原歯科医院

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口腔外科:ほとんどの症例は院内で対応します

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【口腔外科とは】

顎・口腔・顔面領域の疾患のうちの一般的な歯科治療以外の外科的治療分野を口腔外科と呼びます。当院では、ほとんどの症例を院内で対応します。

ただし、入院下の処置や全身麻酔下の手術が必要な場合は、提携先の音羽病院において、院長(音羽病院口腔外科/非常勤医師)自らが実施します。

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手術風景

【智歯(親知らず)抜歯】

親知らずが正常に生え、きちんとかみ合っていれば、抜く必要はありません。しかし、次のような場合には抜歯が必要となります。

親知らずが部分的にしか生えていない。または歯肉の下に埋もれている(埋伏歯)

たびたび腫れる、痛くなるなど、繰り返し炎症を起こす

親知らずにむし歯がある

親知らずが原因で手前の歯にむし歯ができた

親知らずが原因で手前の歯の位置がずれる、または矯正治療が必要になる

実際には日本人の場合、顎骨のサイズなどの要因から、抜歯した方がよいケースが多いです。埋もれている親知らずを放置すると、智歯周囲炎を起こして化膿したり、知らない間に周囲の骨を吸収したりする恐れがあります。 また、親知らずを包む膜が増殖して膨らみ、嚢胞とよばれる袋状の病変をつくるリスクもあります。

これらは自覚症状のないまま進行することが多いだけにやっかいです。重症化して敗血症などを起こすこともあり、最悪の場合、命に関わります。

抜歯に要する時間、術後の腫れや痛みは、親知らずの状態のみならず歯科医師の技術に大きく左右されます。親知らずでお困りの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

【外科的歯内療法】

細菌感染が歯髄から周囲の象牙質に達した感染根管、歯根の先端部に感染が及ぶ根尖病巣など、通常の歯内治療で治癒しない症例に対しては、歯科用顕微鏡を使用したマイクロサージェリーを行い、顕微鏡下に病巣摘出と歯根尖切除、逆根管充填まで実施します(健康保険適応)。

また、患者様の希望により、人工材料や各種薬剤・自己血を使用した再生療法も併せて実施することもあります(手術も含めて自費診療5万円〜)。

【囊胞や腫瘍摘出】

口唇や口腔粘膜に生じる粘液囊胞や上下顎骨の囊胞、舌小帯などの付着異常、口腔癌および前癌病変の検診や組織検査などにも適切に対応します。

口内炎から癌、様々な全身疾患の症状まで、口腔粘膜はいろいろな症状を示します。例えば、白板症や扁平苔癬などの粘膜疾患は、癌につながりやすい前癌病変に該当し、生検(組織検査)により確定診断が得られた場合、定期的な経過観察が必要になります。また、カンジダ(真菌)性舌炎・口内炎や一般的な歯周炎との鑑別診断も重要になります。

粘膜疾患や癌を含む腫瘍は早期発見と診断・治療が予後にも大きく影響します。口腔内に異常を感じた場合は早めの受診をお勧めします。

【歯性上顎洞炎(副鼻腔炎)】

鼻腔(鼻の中)の周囲、骨の中に左右4カ所ずつある空洞を副鼻腔といいます(そのうち最大のものが上顎洞です)。副鼻腔炎とはその骨空洞内に炎症が生じ、粘膜が腫れたり、膿が貯まったりする疾患です。原因は鼻炎など何らかの鼻疾患やアレルギーなどが多いですが、上顎の歯が原因(虫歯や根尖病巣、智歯周囲炎など)で発症することもあります。

通常、上顎の臼歯は根尖が上顎洞(副鼻腔で最大の空洞)に近接もしくは突出している事が多いです。そのため深い虫歯を放置した結果など、根尖部に病巣を生じ、その炎症が上顎洞へ及んだものが歯性上顎洞炎です。治療には耳鼻科的な治療だけでなく、原因歯の歯科的な処置が必要です。当院では耳鼻科と連携し、歯が原因と考えられる場合は積極的に対応いたします。

【顎関節症】

口を開け閉めする時に「アゴの関節に雑音がする」「口が開きにくい」「アゴの関節やその周囲に痛みがある」などの症状が起こる疾患です。かみ合わせ・歯ぎしり・生活習慣・ストレスなど、考えられる要因はさまざま。従って治療には総合的な診査・診断が求められます。

当院では、レントゲンやCTで判断できない場合は、提携先の音羽病院にてMRI撮影をしていただき正確に診断します。

また、当院ではスプリント、マウスピースの治療や機能療法(各種リハビリ)、生活習慣指導、薬物療法でも改善しない症例では、顎関節注射や顎関節腔洗浄療法も実施します。

【自家歯牙移植や再生治療】

不要になった親知らずや、根未完成の親知らずを、他の要因で抜歯した箇所へ移植できます(※1)。自分自身の歯ですから、アレルギー等の心配がなく、歯根膜が再生し生着すればインプラントより感染にも強くなります。

歯周外科手術時には、GTRやエムドゲイン(エナメルマトリックス蛋白)やリグロス(FGF)を用いた再生療法も実施し歯周組織や骨の再生を促します(※2)。

また、最新の再生医療としてCGF、PRF(多血小板フィブリン)抽出システムを用いて、歯槽骨や歯肉の再生を可能します。主に歯周外科手術とインプラント手術の際に用いますが、それ以外の口腔外科手術でも使用しています。これは豊富に増殖因子を含んだ血漿とフィブリンのみを獲得するために開発されたシステムで、完全に生体適合性があり、100%自己血由来の物質です。歯科領域だけでなく、形成外科や整形外科領域など様々な医療分野で幅広く応用されています。

※1 全てのケースで適応になるわけではありません。

※2 全ての歯周病に適応できるわけではありません。

その他、口腔内に生じるあらゆる疾患に適切に対応します。また、当院で対応出来ない重症例や特殊疾患は専門病院をご紹介します。どこの科を受診すればよいのか分からない時など、まずは気軽にご相談ください。


コラム:COLUMN

●顎口腔機能って何?

口腔の機能は歯や歯肉だけで維持されるものではありません。歯、歯肉、舌や頬粘膜、その他の組織、さらに上下顎骨や顎関節などの機能が正常に維持されて初めて口腔の健康が実現されます。

一本の歯を失ったまま放置すれば、隣りの歯や反対側の歯は傾斜し、かみ合わせも変化しています。そうなると歯やかみ合わせだけでなく、顎関節をはじめさまざまな箇所に悪影響が生じます。摂食だけでなく発音や嚥下機能の低下も招くリスクも低くありません。


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